★第三夜 2001/1/20  『正常眼圧緑内障』についてです

★第三夜 2001/1/20

『正常眼圧緑内障』についてです

今年は雪が多くスキーヤーにとってはいい年になりそうです。実を言うと私も先日ちょっとした油断から捻挫をしてしまい、不自由な毎日を送っています。皆さんもくれぐれもケガにはご注意を。

さて今回は正常眼圧緑内障についてお話しましょう。 もともと緑内障とは正常値(多くは10~21mmHg)を越えた眼圧により視神経が障害され視野狭窄や視力の低下をきたす状態とされてきましたが、眼圧が正常範囲内にあっても緑内障になる人の方がむしろ多い事が最近わかってきました。これを正常眼圧緑内障といい高眼圧による緑内障と同じく眼圧を下げるなどの治療が必要です。

正常眼圧緑内障の早期診断には視力や眼圧の検査だけでなく、眼底カメラなどによる視神経や眼底の検査及び視野検査を受ける事が大切です。始めのうちは、これといった症状がありませんので、本人もきづかないうちに悪化させてしまうことが多く、緑内障の80%の人が未治療という報告もあります。早く治療を開始すれば、それだけ緑内障の進行を防ぐことが出来ます。40歳を過ぎた人や親族に緑内障の方がいる人は、年に1回ぐらいの眼科検診をおすすめします。

Q&A

1. どのような治療法がありますか。

いったんなくなった視野は元に戻りませんので早期発見、早期治療が大切です。 まず点眼薬や内服薬にて眼圧を10~12mmHg程度に下げます。視神経保護剤や抹消循環改善剤の内服も効き目があることがあります。以上の薬物による治療で効果がなかった時は手術になります。最近は手術方法が改善され手術成績もかなり向上しています。

2. ふだんの生活で注意することはありますか。

健康的で無理のない規則正しい生活をしていれば特に制限することはありません。お酒やタバコは少なめのほうがいいでしょう。治療を続けながら日常生活をエンジョイしてかまいません。